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2023年10月13日

海外に資産がある場合の相続について

近年、グローバル化が進み、海外資産を持つ日本人も増加しています。インターネットを通じて簡単に海外の金融資産を保有できるため、一度も海外に居住したことが無いにもかかわらず、金融口座を持ち海外信託を利用している方もいます。例えば外資系企業に勤務し、ストックオプション制度の株式型報酬によって親会社である外国法人の株式を保有している場合があります。積極的に海外投資を行っているという意識が無く、外国資産という認識が薄いことも多いようです。外国資産を取得するハードルが低くなっている現状があります。

 

海外に資産がある場合の相続で問題になってくるのは、言語や時差はもちろん、国ごとに相続制度が異なることが大きく影響しています。日本は包括承継主義をとっており、財産や債務を裁判所の関与が無く相続人が直接取得します。一方アメリカなどの国の場合、管理清算主義をとっています。被相続人の財産はすべて遺産財団(Estate)に移転され、裁判所の管理のもと、被相続人に関係する債権債務をすべて管理清算し、プラスの財産が残ったときに初めて相続人に分配できる制度です。この手続きをプロベートと言います。少額の財産しかない場合はこれらが不要な場合もありますが、原則としてこの手続きが必要になります。

 

実はプロベートを回避することが相続対策のテーマになってきます。

その理由としては、以下が挙げられます。

①1年から3年程度時間がかかる

②費用が高額化する

③公開裁判になるためプライバシーの確保ができない

④財産処分が制限される

 

そのプロベートを回避する方法としては、

①個人名義の資産を日本の法人名義で所有(税金に注意)

②財産の共有名義化(税金に注意)

③受取人指定口座・受取人指定不動産(非居住者は照会が必要)

④生命保険の利用

などが考えられるようです。

 

遺産額が数百万円程度の際には、費用の方が上回る可能性があるため、諦めたほうが良いこともあるとのことです。海外資産がある場合は特に出口戦略を含めて財産の管理をしっかりとしていきたいものです。

 

参考:TKC全国会海外展開支援研究会 国際相続(法務)研修

 

文責:姥貝 友香

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