生命保険契約の一括照会
家族がどんな保険に加入しているか把握していますか?一人暮らしの親が急に亡くなり、保険関係の書類を探しても見つからない、そんな経験がある方もいるのではないでしょうか。
どの会社の生命保険に加入していたか分からない状態では保険金が受け取れない事態になりかねません。しかし、そんな心配を一気に解決してくれる制度が2021年7月から始まりました。
《生命保険契約照会制度》
これまでは生命保険会社へ個別に一社一社問い合わせる必要があり、大手の数社に問い合わせて諦めてしまう相続人も少なくありませんでした。
しかし、この制度では生命保険協会が窓口となり、一度の問い合わせで生命保険各社へ一括して契約の有無を確認できます。
★利用方法
照会者の本人確認書類や相続関係を証明する戸籍などを用意し、オンラインまたは郵送で申請します。費用は一回の照会につき3,000円(税込)で、複数の会社の契約があったとしても料金は変わりません。
申請後、利用料金の支払いが確認できた時から2週間程度で保険契約の有無が開示されます。
★注意点
この制度はあくまでも契約の有り無しを把握できるだけなので、詳細な保険契約の内容は、各保険会社へ個別に確認する必要があります。
そして、契約があった場合は保険会社のコールセンター等へ問い合わせ、保険金を請求する手続きを開始しましょう。
なお、財形保険契約、財形年金保険契約、支払いが開始した年金保険契約や保険金が据え置きになっている保険契約は照会の対象にならないため、注意が必要です。
被相続人の生命保険証券や通知物が無いか調べたうえで制度の利用を検討し、保険金のもらい忘れを無くすことで相続税申告や遺産分割を円滑に進めていきましょう。
出典:納税新聞 第3697号 (2021年11月8日)12頁
政府広報オンライン 「家族の生命保険契約を一括照会!どこの会社に加入しているか調べられます」https://www.gov-online.go.jp/useful/article/202111/2.html
文責:姥貝 友香