事例から見る越境ECの重要ポイント
コロナ禍となり、商品の国内販路拡大に難しさを感じ、海外販路拡大に目を向け始めた経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、日本国内にいながら海外に向けて商品の販売ができる越境ECについて見ていきたいと思います。
越境ECとは、「日本から国境を越えて海外向けに販売を行う電子商取引」のことです。コロナ禍によってインバウンド需要を見込めない中、越境ECを利用すればその売り上げの補填だけでなく、海外認知を拡大させたり、テストマーケティングの機会として用いたりと可能性が広がります。
日本では海外のサイトを通じて商品を購入する機会はなかなか無いかもしれませんが、その市場は世界的に急拡大の傾向にあります。規模は2020年時点で約110兆円にのぼり、アジア圏ではその約48%を占めています。
ここで越境ECを利用した事例を2つご紹介します。
◎成功事例【日本製の革財布】
海外消費者に商品の魅力を詳細に伝える販売ページや現地目線での商品レビュー動画を作成、Facebook広告を配信
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購入希望者が2ヶ月で100人集まったら販売するというクラウドファンディング形式をとり、単価20,900円×153名の購入で約320万円の売上
この事例のように越境ECでは1つの商品からでもテスト的にトライすることができるため、中小企業者においても取り組みやすいうえ需要を見極めて販売実績を作れるメリットがあるようです。
◎失敗事例【日本産フルーツのペットボトルジュース】
24本入りケースでの販売を希望
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商品重量が3㎏を超え、消費者にとって送料が割高になってしまい越境ECに適さない
この事例のように、購入者が送料を支払う場合は負担に感じてしまうこともあり、別施策の方が効果的な場合もあるようです。
ECサイト構築からアフターフォローまでをすべて自社で始めるのはなかなかハードルが高いと考えられますが、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
文責:姥貝 友香