令和元年分の相続税の調査状況
令和2年12月に国税庁から「令和元事務年度における相続税の調査等の状況」が公表されました。
申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにも関わらず無申告と想定される事案など、大口案件や悪質な不正が見込まれる事案について令和元事務年度(令和元年7月~令和2年6月)に行われた調査の結果です。実地調査件数及び文書や電話等による簡易な接触の件数は対前事務年度比でそれぞれ85.3%、83.5%と減少しておりますが、1件当たりの追徴税額は対前事務年度比でそれぞれ112.8%、114%と増加しました。また、無申告事案に対する調査件数も前年比78%と大幅に減少していますが、1件当たりの追徴税額は前年比122.6%と大幅に増加しています。
やはり新型コロナウイルスの影響により調査件数は減少していますが、調査1件当たりの追徴税額は増加しています。実地調査に出ることができない分しっかりと税務署内で調べて効率的に実地調査が行われたものと考えられます。
また、資産運用の国際化に対応し、各国同士の情報交換制度等を活用して海外取引や海外資産の保有状況の把握も積極的に行っており、海外資産に係る申告漏れ等の非違件数は過去最高の149件となりました。
海外資産を含めて申告漏れや無申告とならないよう早めに当事務所までご相談下さい。
文責:税理士 武石仁美