「契約書における印紙税の注意点」
不動産売買契約書、工事請負契約書、金銭消費貸借契約書などの契約書は、印紙税法上の課税文書として定められた金額の収入印紙を貼ります。
印紙を貼る必要があるかどうかは、文書の表題や名称で判断するのではなく、文書の記載内容が契約の成立等を証明するかどうかで判断します。例えば、「合意書」「覚書」などでも、それが相手との契約の成立や変更を証明する「紙」の文書であれば、印紙税法上の契約書になります。
また、契約書を複数枚作成した場合は、印紙税=文書課税(文書一枚一枚を対象)ですので、作成したすべての契約書に印紙を貼る必要があります。
ところで最近では、定款や手形などの電子化が進んでおりますが、そのような電子文書にも印紙税はかかるのでしょうか。
結論としましては、課税されません。先にも述べたように、印紙税は文書課税ですから「電子的契約書」は課税対象とはならないのです。ただし、契約内容の改ざんなどのトラブルが起きないよう防止策を施す必要があります。
※所定の印紙税額を超える金額の印紙を、誤って貼ってしまった場合
貼り間違えた印紙を(消印をしていなくても)剥がして再使用することは違法になります。誤って印紙税を納めた場合には、印紙が貼りつけられた文書を税務署に持参すれば、還付の手続きをすることができます。その際に、印鑑が必要になります。
文書から印紙を剥がしたり、切り取ったりすると還付手続きができません。また、印紙税の時効は5年ですので、5年を超える過誤納の還付は受けられないので注意が必要です。